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VibratioNote Vol.41 by 田中凜太郎

VibratioNote

2022.05.09

VibratioNote Vol.41 by 田中凜太郎

困難な時代に何が必要か?可能であれば……“ヒーロー”が出現し、時代を変えて欲しい。 今月は20世紀の最強バイク・レーサー、“キング・ケニー”の大特集です!

Text & Editorial Photography by Rin Tanaka
Courtesy of Madeline McInnis

Heroes!(前編)

ケニー・ロバーツ – 1983年、当時中学一年生だった僕は、隣に座る志村君から興味深いモノを見せて貰いました。クリアケースの中にはバイク雑誌の切り抜き写真が入っており、彼はそれを下敷き替わりに使っていました。「ケニー・ロバーツ、っていうアメリカ人のレーサーで、過去に何度も優勝しているキングなんだ。週末の深夜にレース中継がテレビ放送されるから観ると良いよ」。

今月もモデルのマデライン・マッキニス(21)さんが登場。ロサンジェルスは連日30度を超えており、しかし湿度が低いので一年で一番過ごしやすい季節です。今月は白い洋服で夏らしくいってみましょう!

13歳の志村君がバイクに詳しかった理由は、高校生の兄がいて、国産バイクでガンガンに攻める「走り屋」らしく、その影響でバイクにハマっていたのです。当時の日本は「空前のバイク・ブーム」で、若者なら「誰でも」というくらいバイクに興味を持っていました。そして当時は世界最大級のバイクレースである「世界GP」の模様がテレビでちゃんと放送され、高視聴率を叩き出していたのです。

Kingなのに、“2”番を着けてもなおKool!

その週末の晩、僕は夜更かしをしてTVを観ました。印象的だったのは、アナウンサーが頻繁に「ケニー・ロバーツがまた一人抜きました!」と叫んでいたことです。それは僕は初めて知ったモーター・スポーツの世界で、サーキットに鳴り響く「カーン!」という甲高いエンジン音が衝撃的でした。そして「高校に入ったらすぐにバイクの免許を取ろう」と決めました。

「今世紀最強のバイク・レーサー」。20世紀が終わろうとしていた2000年、アメリカのバイク雑誌がこぞって特集を組み、ほぼ満票で1位だったのがケニー・ロバーツ(ヤマハ)でした。愛称は、「キング・ケニー」。バイク・レースの歴史は既に百年を超えていますが、過去に「キング」の称号がついたのは……世界的にみてもケニー・ロバーツ以外に思い付きません。

1951年生まれ、出身はサンフランシスコから内陸に車で1時強の距離にあるモデスト市。1971年に僅か19歳でプロ・デビューし、1973年には史上最年少の21歳で「AMAグランド・ナショナル・チャンピョン」を獲得。そして1975年まで3年連続で優勝を飾り、キング・ケニーの一強時代が到来しました。そし1978年からロード・レースの最高峰である「世界GP戦」に参戦。何と一年目からいきなり「アメリカ人初のチャンピョン」に輝き、1980年まで3年連続で優勝しました。

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