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CULTURE

日本カルチャー紀行 第六回 エヴィス

日本カルチャー紀行

2022.05.09

日本カルチャー紀行 第六回 エヴィス

海外モデルやミュージシャンが来日した際に、こぞって「EVISUのショップに連れて行ってくれ」とリクエストが出るほど世界で根強い人気を誇るエヴィスだが、30周年を迎えた2021年に創業者の山根英彦氏から息子の昭彦氏に受け継がれ、新たな歩みを始めている。ジャパンデニムの歴史を創った老舗にして新生ブランドの、モノ作りの現場を訪れた。

direction by SATOSHI MORIYA
photography by ICHIRO TAKASE (TAKASE OFFICE .inc) text by SHUNSUKE HIROTA

30周年の節目に生まれ変わった 第二世代のエヴィスジーンズ

ジーンズメーカーの本社と言えば、デニムの聖地である岡山近辺に構えるものだと思うだろう。しかし、エヴィスが本社を構えるのは滋賀県。創業者の山根英彦氏が「趣味のバス釣りを存分にやりたい」という理由で約7年前に琵琶湖湖畔へ本社を移転したというエピソードからも察せられるように、あるいは社屋の随所に巨大な白熊やライオンの剥製、鉄人28号のフィギュアが置かれていることからも分かる通り、エヴィスのモノ作りは徹底して遊び心に満ちている。山根英彦氏の強烈な個性と道楽ぶりはファッション業界ではよく知られたものだが、そんなキラ星のように輝いていた創業者から息子の昭彦氏へと経営のバトンが受け渡されたのは昨年のこと。まずは新代表の昭彦氏に、エヴィスの歴史から話をうががった。

本社には顧客やスタッフが穿き込んだ色落ちサンプルがずらりとストックされている。並み居るジーンズブランドの中でもエヴィスはゆっくりと色落ちすることで知られており、時間を掛けて穿き込んで行く愉しみがあると言われている。

「父は、創業前、大阪の梅田にある海外衣料を扱う洋服屋で勤務していました。その頃、当時の衣料は、近代的な大量生産品が主流となり、流通しているジーンズは、父が昔憧れた、古き良き時代の“かっこいい”と思えるジーンズではなくなっていました。そこで自分が穿きたいと思えるオリジナルジーンズの開発を企画したのですが、会社の事情により、企画が途中で頓挫することに。しかし、既に生地を発注してしまっていたため、生地屋さんに迷惑は掛けられないと、生地を引き取って自分でジーンズの製作を始めたのが後のエヴィスの前身となりました」。

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