SUBSCRIPTION

  1. TOP
  2. CULTURE
  3. My Legends by 幹田卓司 vol.150 – WACKO MARIA WOLF’S HEAD 27 –

CULTURE

My Legends by 幹田卓司 vol.150 – WACKO MARIA WOLF’S HEAD 27 –

My Legends

2022.05.09

My Legends by 幹田卓司 vol.150 – WACKO MARIA  WOLF’S HEAD 27 –

毎シーズン定番的にコラボレーションを行なっている幹田とワコマリア。打ち合わせは阿吽の呼吸で10分もあれば済んでしまい、その後酒を酌み交わすことがメインになっているという。そんな二人の洒落やノリから生まれたのが、こちらのお猪口と徳利だ。酒好きの二人らしいアイテムではあるが、誕生の経緯から話をうかがってみた。

photography by FUMIHITO ISHII edit by SHUNSUKE HIROTA

何気ない提案をきっかけに、両者の遊び心が生み出したアートピースとしての酒器

「もともと数年前のコラボで半纏やシャツにプリントするため、“吉原と酒と女”をテーマにお猪口と徳利が花魁になっているグラフィックを僕が描いたのですが、“どうせならこれで本当にお猪口と徳利を作ってよ”と話していたら本当にサンプルを作ってきた。数年前の話だったので、まさか本当に製作するとは思わなかったんですが、作り始めたら予想以上に凝り始めてしまいました」。

徳利を縁取る装飾は紙製からプラスチックへ変更し、桐箱もオリジナルで製作してステンシルを施した。さらに徳利を固定するための台座はガラガラ蛇をモチーフにしたヴィンテージアシュトレイをベースにしつつ、新たに製作することに。洒落で始まったプロジェクトとは言え、企画が一歩進むごとに新たなこだわりが盛り込まれるのは、彼等のコラボレーションではお決まりである。

ひとつ目の花魁がご開帳しているエロティックなモチーフを波佐見焼で再現したお猪口と徳利。徳利らしい瓢箪形のシルエットと女性のボディラインが見事にマッチしつつ、白粉を塗った顔は磁器本来の硬さのある白で表現しつつ、首元の肌色は釉薬を掛けて柔らかに表現するなど、細部にまでこだわりが光る。限定10個をウルフズヘッドにて販売予定。写真の台座として使用されている蛇の灰皿はヴィンテージだが、こちらもオリジナルで製作して単品でも販売予定。

「最終的に台座用に灰皿も作ることになったので、酒と女と煙草の3つが揃ってより完璧に近い形に仕上がったように思います。徳利のお腹に入っている文字ですが、森が“吉原って縦に書くとエロ原に見えない?”と言い始めたので“吉”の文字の“土”の部分が“エ”になっています。ある意味で悪ふざけも盛り込まれたアイテムですが、だからこそ中途半端じゃつまらない。釉薬の盛り上がり方や全体の造形も含めて、良いものができたと思います。本体は長崎の波佐見焼の工房で作ってもらったのですが“13個作るので精一杯”と職人から言われたほどです。なので自分達用として3個を確保して、限定10個をウルフズヘッドで発売する予定です」。

儲けや利益を度外視して作りたいから作ったというこのアイテムは、ある意味で究極のコラボレーションと言える傑作品。幹田のアートワークが日本の職人の手で立体化された酒器は晩酌時に使えるだけでなく、オブジェとして飾れば抜群の存在感を放ってくれるはずだ。