SUBSCRIPTION

  1. TOP
  2. CULTURE
  3. VibratioNote Vol.40 by 田中凜太郎

CULTURE

VibratioNote Vol.40 by 田中凜太郎

VibratioNote

2022.04.07

VibratioNote Vol.40 by 田中凜太郎

近所のスーパーでよく見かけるのが、アメリカの女子大生です。 なるほど、彼女たちが「アメリカの未来」か……。今月は、ヴィンテージな「カレッジ特集」!

Text & Editorial Photography by Rin Tanaka
Courtesy of Takehiko Arima (B,S&T USA, INC.),
Larry McKauhan (Heller’s Cafe), Madeline McInnis

「大学街」から、アメリカの文化は生まれる。

うちの近所には〈University of Long Beach California 〉という州立大学があり、沢山の学生が住んでいます。今月のテーマは「大学」ということで、「いま時なアメリカの女子大生」をイメージしながら撮影しました。モデルのマデライン・マッキニスさんは21歳なので、年齢的にもピッタリ。ポイントは「ワンサイズ大きめのスウェット」です。近年のアメリカ人女性はスーパースリムなパンツをよく穿いているので、「上はルーズめ」ということのようです。振り返ると、これは1980年代に流行った着こなしですが、しかし当の彼女たちは「1980年代にまだ産まれていなかった」点が実に不思議です。

Volfpeck(ヴォルフペック)- 2022年の現時点で「アメリカで凄く勢いのあるバンドは?」と聞かれたら、ミネソタ州出身のこのバンドを思い浮かべるでしょう。コロナ前にはあの「マジソン・スクウェア・ガーデン」(ニューヨーク)でも単独公演しており、同バンドのコーリー・ウォンは「いま最も注目されるギターリスト」として有名です。

このTシャツは、「アメリカの学生が初めて着たTシャツ」と言っても大袈裟ではないくらい古い、超レア品。たぶん1930年代製でしょう。しかもこの「米カヌー代表チーム」のユニフォームを着たのは超エリート士官学校として有名なあの〈ウエスト・ポイント〉の学生で、他国の選手たちは、「半袖のコットン製シャツなんて見たことがない」と驚いたでしょう。その〈ウエスト・ポイント〉の学生たちは第二次世界大戦でもTシャツを着るようになり、それは多くの兵士に浸透し、戦後には帰国したアメリカ兵たちが普段着としてTシャツを着るようになりました。いま世界中の若者が着ているスポーティーなファッションは、「実は1930年代の〈ウエスト・ポイント〉から広まった」というのが歴史的事実のようです。(撮影協力: Larry McKauhan)

ミネソタ州ミネアポリス出身!? 〈ヴォルフペック〉の映像を初めて知ったのはもう2年前になりますが、一番の驚きは「なんでこんな凄いバンドがミネアポリスから登場したんだ?」という疑問です。ミネソタといえば、「アメリカで一番雪の多い州」として有名で、「音楽が盛んなエリア」というイメージは特にありません。しかし実は逆なんですね。アメリカの面白いバンドって、なぜか寒いエリアから出てくるケースが多いんです。冬が長いので、家に篭って練習する時間が多いのでしょうか。

ミネアポリスから〈ヴォルフペック〉のようなバンドが出てきた背景には、大きな要因があります。それは地元の音楽大学、及び卒業生たちの間で良好な交流がある、という点です。実はミネアポリスは「大学の町」として人気の高い中都市で、音楽大学の教育システムも充実しているのでしょう。実際に〈ヴォルフペック〉のメンバーは2つ以上の楽器が出来そうな実力派揃い。しかも白人と黒人が積極的に混ざってプレイしており、グルーヴ感が異常に良いのがこのバンドの素晴らしさです。アメリカの音楽大学でも21世紀に入って人種の多様化が急激に進んでおり、それは音楽の多様化をも促しています。今後ミネアポリスのような大学街から新しい音楽が出てくる可能性は充分にあるでしょう。

固定ページ: 1 2 3 4 5 6 7