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My Legends by 幹田卓司 vol.149

My Legends

2022.04.07

My Legends by 幹田卓司 vol.149

今年で創業130周年を迎えるルイスレザーズと昨年30周年を迎えたウルフズヘッド。そのアニバーサリーイヤーを祝う特別なアイテムとして両者が作ったのがこちらのレザージャケットだ。何度か本誌誌面にも登場したアイテムだが、その着想源である本邦初公開のヴィンテージピースとともに改めてご紹介する。

photography by FUMIHITO ISHII edit by SHUNSUKE HIROTA

30年経って新たに見出した今こそ着たいルイスレザーズ

「60年代のルイスレザーズはリーバイスの販売代理店をやっていたこともあって、アメリカ文化を強く意識していた。そのため、ルイスにも3rdのデニムジャケットをベースにレザーで仕立てたウエスタンというモデルが存在しているんです。おそらく僕がルイスとコラボするならサイクロンがベースに選ばれるだろうと思っていた人も多いと思いますが、今本当に自分が着たい新たな1着を作りたかった。それで、敢えてウエスタンをベースモデルに選んで作ることになりました」。

ベースモデルがあるとはいえ、幹田氏のこだわりはジャケット全体に及んだ。エリを立ててもルックス良く着られるように小ぶりに調整したことをはじめ、サイクロンと同じウエストベルトやコインポケットを採用。エポーレットやバックヨークのフリンジも追加したが、特にフリンジはルイスのオプションよりも短く、半分の幅で細かくカットするように念入りに調整を施した。そして完成したアメリカとイギリスのジャケットの良さをバランスよく取り混ぜたオリジナルなボディのエポーレットや胸ポケットのフラップ、ウエストベルトに絶妙な塩梅でスタッズを施した。単なるコラボレーションという枠を超えて、新たなモデルと言っても過言では無い手間の掛かりようだ。

「UKのライダースだとスタッズが大量に打ってあることが多いですが、敢えて品良く仕上げることを意識しました。もしこういったスペシャルなカスタム、スタッズワークが施されたアイテムがヴィンテージで発見されたら、きっと高額で取引されるでしょう。デザインそのものはアメリカンなテイストが強いですが、野暮ったさが無いのはルイスだからこそ。もしアメリカのレザーブランドが作ったとしたら、こういった大人な雰囲気には仕上がらなかったと思います。ルイスの魅力を知ってから30年ほど経ちますが、ずっとターコイズブルーのサイクロンのみ着てきました。だけど今回作ったジャケットはサイクロンと並ぶぐらい気に入った出来栄えですし、実際すでに愛着のある一点になっています」。

左は幹田氏が所有している、60年代製ルイスレザーズのNo.988 ウエスタンジャケット。しなやかなシープスキンを使用しており、ラフに羽織ることができる。右は130周年のアニバーサリーを祝うコラボレーションピースだ。エポーレットやウエストベルト、コインポケット、フリンジを追加し、スタッズを打ち込んだことで、トラッカージャケットにライダースのエッセンスが盛り込まれ、唯一無二のデザインに仕上がった。ルイスのなかでも最高級のベジタブルタンニンなめしのカウハイドを使用しており、着込んだ先の経年変化も楽しみだ。