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CULTURE

職人紀行 第二回 濵本祐介(濵本峰松園)

日本カルチャー紀行

2021.12.09

職人紀行 第二回 濵本祐介(濵本峰松園)

実は本誌編集長 守谷は以前から盆栽も所有する植物好きでもある。そんななか、多くのファッションブランドともコラボレートを行なっている、若き盆栽作家の存在を知った。職人紀行の第二回では、〝盆栽〞と〝タトゥー〞と〝ファッション〞という、一見すると関連があるように思えない3つを繋ぐキーパーソンの元を訪れた。

direction by SATOSHI MORIYA photography by FUMIHITO ISHII text by SHUNSUKE HIROTA

盆栽に適した引き締まった葉鞘を持ち、明るい色合いが特徴な銀八つ房と呼ばれる五葉松。根元から大胆に屈曲した幹芸からは、苗木の頃から丹念に仕立てられてきたことが窺える。

「基本が全て。時代を経ても残る伝統こそが本物」

千葉県柏市の住宅街の一角。そこで出迎えてくれたのは閑静な街並みに似合わぬ、指先から頭の先までタトゥーに包まれた厳つい風貌の男。控えめに言って堅気には見えない不良な出で立ちとは裏腹に、その目は優しく、全身から柔和な雰囲気を漂わせていた。庭師にして盆栽作家の濵本祐介氏だ。

MoMAデザインストアで開催された展示会『モダン・ジャパン』に自身の盆栽を出展したのをはじめ、様々なショップでの展示など気鋭の盆栽作家として活動を行なっている濵本氏。盆栽作家としての活動は国内にとどまらず、海外で高まるクールジャパンと盆栽熱を受けて定期的にロサンゼルスへ赴き、海の向こうでも盆栽も作り続けている。

“刺青”と“盆栽”と表現するならば、ともに日本を代表する伝統ではある。とは言え高齢者が多い庭師・盆栽業界において、良い意味でも悪い意味でも目立っていることは想像は難くない。一体どのようにして異形の盆栽作家が誕生したのか、実際に濵本氏が営む濵本峰松園に赴いて話を伺った。

「最初に興味を持ったのは、タトゥーのほうでした。高校生の頃からずっと彫りたくて、卒業してすぐにロサンゼルスに飛び、トライバルタトゥーのパイオニアであるレオ・ズエルタのスタジオを訪れて作品を彫ってもらいました。それから21歳まで3ヶ月に1回のペースでロサンゼルスに行ってタトゥーを彫ってもらっていました。その後、手に職をつけなくてはいけないと思い、庭師と盆栽の両方をおこなっている親方のところに弟子入りして修行を始めました」。

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