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CULTURE

VibratioNote Vol.32 by 田中凜太郎

VibratioNote

2021.07.09

VibratioNote Vol.32 by 田中凜太郎

世界中の音楽ファンがコロナ自粛中に得た収穫は、「久しぶりに良く音楽を聴いた」ことです。僕も毎日レコードを触っています! 今月はジャケットまで素晴らしい「クールなジャズ・レコード」特集です!

Text & Editorial Photography by Rin Tanaka
Courtesy of Bob Chatt, David Karlak,Madeline McInnis, Hajime Naraharanis, Hajime Narahara

A面で恋をして、B面で……何をしよう!? (後編)

今月も、マデライン・マッキニス(20)さんと撮影です。僕がイベント用に購入したDJセットの前に立ってもらいました。僕自身はDJをやらないのですが、年に一度のイベントの際は自分でセットアップし、テストをやるのが楽しみ。大きい会場なので、自宅とは桁違いの大音量でレコードをかけることができます。やはり音楽は「音が大きい!」とより感動します。

ジャズャズ・レコード、売ります!」– もう6年前になりますが、自宅から車で30分ほど走ったカリフォルニア州フラートン市のガレージ・セールで買った「ジャズ・レコード」は、思い出に残る体験となりました。なんと80歳くらいのおじいさんが家のガレージにテーブルを並べ、臨時レコード・ショップをオープンしたんです!しかもジャズ・レコードのみで、300枚以上。アメリカにもジャズ・ファンは沢山いますが、CD派が大半なので、今や古いレコードは滅多に放出されません。それだけにネット上で「ジャズ・レコード、売ります!」という文字を見た時は、かなりドキッとしました。

レコードをめくりながら驚いたのは、セレクトが抜群なことです。95点! しかも僕のコレクションとあまりダブっておらず、「同じジャズ好きでも、聴く角度が違うんだなぁ」と感心しましたよ。

テーブルの上に並んだダンボールは全部で7箱。 「$30」、「$25」、「$20」……と$5単位でランク分けされていました。悔しいのは、僕が欲しいのは$25~30の箱から選んだものばかり! そもそもガレージ・セールというのは、「持ってけ泥棒!」みたいな格安プライスで販売するのがアメリカの常識で、これだったら普通の中古レコードと変わりません。このおじいさんはかなり手強いですよ。それでも良いご縁と思って$300分も購入。もちろんおじいさんは凄くご機嫌でした。

「レコードで癒された~い」若者が増えていることは、数少ない朗報だ。

2週間後にそのおじいさんからメールが来ました。「前回売らなかったモノを売るから、また来ないか?」。もちろん行きますよ!再び現金を握りしめ、フラートンへ向かいました。何と前回よりも欲しいレコードが増えており、また$300も買ってしまいました。

さらに2週間後。「今回が最後だ」とメールがあり、またドライブです。そして欲しいレコードが結構ありました。どうも、一番好きなレコードを最後まで残していたようですね。僕はその戦術にハマり、短期間で10万円近くレコードを買ってしまいました! こんな「大人買い」は初めてです。

れでも、おじいさんはいつも僕がレコードを持ち帰る姿を見ながら、寂しそうな表情を浮かべていました。それはそうでしょう。50年以上大切にしてきたモノが突如消えてしまったのですから。

どうしても捨てられないモノは?│もしそう聞かれたら、僕の場合は小学生の頃から集めている「レコード」です。小遣いを貯めては1枚、1枚……と買い続け、徐々に本棚がレコードの重さに耐えきれなくなっていきました。

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