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男のリーダシップ 第99回 『ユーモアは人を動かすスキル!』

男のリーダーシップ

2021.10.09

男のリーダシップ 第99回 『ユーモアは人を動かすスキル!』

人材育成コンサルタント、守谷雄司氏による熱血マネジメント講座。今回のテーマは、「指導者よ、笑いとユーモアを身につけよ」です。人が鬱うつの時、その魂を救えるのは、まわりの人の笑顔です。真の笑顔とは、お笑い芸人を真似したテクニックではなく、人間としての余裕と相手を思いやる教養とセンスを兼ね備えたヒューマンスキル(愛嬌力)そのものなのです

directon & text by YUJI MORIYA illustration by CHINO A

今どきのビジネスマン、特に管理職と言われる人には、仕事はできて当たり前、プラス、「笑い」と「ユーモア」のセンスを身につけた人間力(愛嬌力)が必要とのこと。こりゃ大変だ。2年前の研修で知り合った管理職のFさん(45歳)から、そんな主旨のメールをいただいた。内容を要約すると、こんな具合だ。「我が社(大手の精密機械工業で地方の部品製造会社)では、管理職は率先してお笑いの研究をしろ! という専務命令がくだりました。オンラインで仕事をする間接部門の長は、率先して部下と仕事の報告・連絡・相談が終わったら、最後の2、3分は相手(特に若い社員)と雑談を交わし、“どんな話題を提供したら、どのくらい笑いを取れたか、その内容、回数を記録、専務に報告して欲しい”」とのことだ。

いや、驚いたわ。働く人がコロナ禍で憂鬱うつな日を送っているから、企業の管理者がお笑い芸人になれってか。管理者の本来の仕事は、マネジメントやリーダーシップを執ることだが、それにプラス “笑いをとれる”愛嬌力を身につけることが評価の項目に加えられたとのこと。

研修中のF氏の雰囲気は(二泊三日)、自らの発言は少なく、終始うつむき加減で、周囲の意見に「ハイハイ」とうなづくだけで精一杯。髪型も七三分けという昔の銀行員タイプで、いかにも生真面目で神経質そうなタイプだ。そんな彼がどんなネタを使って、どんな風に人を笑わせるのか想像もつかない。F氏は超がつくほどの生真面目人間のため、上司の「愛嬌力を持て」という言葉を真剣に受け止め、他部署の管理職を誘って、笑いの研修塾に出席した。研修塾といっても、元お笑い芸人さんが自宅を開放し開いている(といってもコロナ禍であるため、毎回3~4人の少人数限定で月2回程度)。「お笑い塾」的な会合に参加して、「笑いのツカミ」とか「笑いのメカニズム」等を学んでいるという。

こうしたF氏の努力に水を差すつもりはないが、「笑い」とか「ユーモア」とかいうものは、「お笑い塾」で「笑いを誘うヒント」や「笑わせるテクニック」を学んだだけで「愛嬌力」が身につくものなのかは、少し疑問である。そんな簡単なものではないはずだ。普段から笑えるような余裕のある(特に精神的に)生活を送っているとか、相手を楽しませ、愉快な気分にさせたいといったサービス精神があるかどうか、要は、ユーモアというものは、その人の中身、つまり、人生観や人間観と切っても切れない関係にあるものということだ。つまり、その人の人間性を表すものの一部が「愛嬌」であり、「笑い」だと思うのである。

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